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ミュージアム・メモリーズ

訪れた博物館の感想など

「世界に挑んだ7年 小田野直武と秋田蘭画」展(サントリー美術館、東京都港区) 感想

☆展覧会総評
 「小田野直武」という人の名前や「秋田蘭画」という言葉は絵にそれほど詳しくない人にとってはあまり馴染みがないかもしれません(私自身も高校日本史の近世文化史で名前だけ出てきたことを覚えているだけでした)。展覧会を見る前はかなりマイナーなテーマ(≒絵の素人にはつまらない)ではないかという予感もあったのですが、小田野直武は平賀源内に師事をして有名な「解体新書」の挿絵を担当するなど、よく知っている史実に近い人物であることがわかったり、東洋と西洋の絵が絶妙に接合されている「秋田蘭画」の世界がおもしろかったりと、なかなか楽しめる展示でした。
 
☆みどころ
 展示構成がとてもわかりやすくてがよかったです。秋田蘭画の源流となった西洋絵画と東洋絵画についてもそれぞれ一章設けられてしっかりと展示されており、それを踏まえてメインテーマである「秋田蘭画」の作品群をみることができたので、両者が絶妙に組み合わされて描かれていることがよくわかりました。「遠近法」や「陰影法」などの西洋絵画の特徴や画題などの東洋絵画の特徴についてもキャプションが丁寧につけられており、理解の手助けになります。富士山などの日本的名所や関羽像など東洋的故事に由来する画題にも関わらず、部分的に西洋画らしさを感じさせられるという体験が新鮮でした。
 
サントリー美術館には初めて訪れました。年の瀬が近づき多くの人で賑わう六本木の街とは対照的に人影がまばらな館内で静かに鑑賞することができました。ミュージアムショップは書籍コーナーは展覧会に関連する本が少々置いてある程度でした。どちらかというと高級そうな小物の販売などが多い印象。図録は2500円となかなかのお値段でしたが、図版、解説共にしっかりとしているようでした(買いませんでしたが)。入館料が1300円(一般料金)と少しお高めで気軽に入るには少しハードルが高いのが玉に瑕でしょうか。
 
☆基本情報
期間:2016年11月16日(水)~2017年1月9日(月)
開館時間:10時~18時(金・土は20時まで)
休館日:火曜日
入館料:一般1300円、大学・高校生1000円